退職勧奨が違法と判断されるケース｜適切な進め方は？

企業にとって人員整理は、慎重に行う必要がある業務です。

近年では「退職勧奨」というケースも増えていますが、違法になる場合との線引きが難しいと感じるひとが多いです。

ここでは、退職勧奨が違法と判断されるケースを解説します。

退職勧奨が違法と判断されるケース

以下の3つの行動のいずれかに該当すると、違法とみなされる可能性があります。

• 「退職届を提出しなければ解雇する」という趣旨の発言
• 退職を目的とした配置転換や仕事のとりあげ
• 長時間多数回にわたる退職勧告

それぞれ解説します。

「退職届を提出しなければ解雇する」という趣旨の発言

「退職届を提出しなければ解雇する」という内容の発言は、違法になるケースがあります。

実際に、こうした発言から解雇が認められなくなる、退職が無効となるケースも存在します。

退職勧奨に当たっては、使用する言葉などの発言に十分注意しましょう。

退職を目的とした配置転換や仕事のとりあげ

退職を目的とした配置転換や仕事のとりあげという行為は、嫌がらせやパワハラに当たるため、退職を認められないケースがあります。

仮に配置転換などをおこなう場合には、あくまでも退職を目的としたものではないことをしっかりと伝えなければなりません。

丁寧な説明と同意を得る努力を怠ると、裁判などに発展することもあります。

長時間多数回にわたる退職勧告

退職勧奨の頻度や時間などへの配慮も必要です。

たとえば、面談時間が異常に長かったり、回数が常識の範囲に収まらなかったりする場合は、違法とみなされることがあります。

退職勧奨の適切な進め方

退職勧奨は、会社側にとっても雇用されている側にとっても非常にデリケートな分野です。

退職勧奨の適切な進め方を知り、慎重におこなうことでスムーズに進めることができます。

退職勧奨の適切な進め方は、以下の流れで進めることが一般的です。

• 退職勧奨の方針の決定
• 退職勧奨の理由を整理
• 労働者との面談
• 回答期限の設定
• 検討時間を十分に与える
• 退職の時期や具体的な条件のすり合わせ
• 退職届等の作成・提出・受理

いずれの段階も丁寧におこなう必要があり、退職を促すひとへの配慮も心がけることが重要です。

まとめ

人員整理の業務は、契約上でも心理的にも非常にデリケートな場合があります。

ときには違法と判断される場合があるため、違法になりやすいケースや、退職勧奨の適切な進め方を知っておく必要があります。

退職勧奨はやり方を間違えると法的な問題に発展することもあるため、不安がある方は法律事務所への相談を検討してみてください。