千且法律事務所 > 知的財産紛争 > 著作物の無断使用(著作権侵害)

著作物の無断使用(著作権侵害)

著作権侵害でお困りの方で、そもそも対象物が著作権保護の対象となるのか、どのようなものが保護対象になるのかということでお悩みの方がいらっしゃると思います。
著作権法10条1項各号において、どのようなものが著作物に当たるかが示されています。

そのなかでもとりわけ、音楽(2号)、イラスト(4号)、動画(7号)、写真(8号)、プログラム(9号)についてご紹介していきます。

 

音楽は、旋律、和声、リズム、形式の4つの要素から構成されます。

旋律だけのものであっても音楽となり、和太鼓のみでの演奏のようにリズムだけで構成されているものでも音楽となります。

また音楽の著作物という言葉は69条の文言にも含まれますが、この条文から歌詞も含まれるとされるのが通説的な理解となっています。

 

イラストは、大きくな枠組みとして美術に該当します。そしてとりわけ日本におけるイラストとは、漫画やゲームのキャラクター、それ以外にも作成者オリジナルの架空の人物が描かれたものを指すのが一般的な理解でしょう。

こうしたキャラクターと呼ばれる具体的表現には著作権法が適用され、「商品化権」というものが観念されます。
ディズニーは著作権関連に非常に厳しいことで有名ですが、自作のディズニーイラストを単に公開するだけであれば表現の自由の範囲にとどまり、それらをTシャツにプリントするなどして販売した場合には著作権侵害となるということです。逆に言うと、自身のオリジナルの創作キャラクターだけでなく、イラストそのものを他者が無断で商品として販売していた場合には著作権侵害を主張することができます

 

YouTubeというプラットフォームの発達によって、一般人であっても動画クリエイターとして表現活動をすることが非常に容易となりました。しかしながら、誰もがクリエイターとしての活動ができるようになった分、著作権関連には非常に敏感にならなければなりません。

著作権法10条1項7号は映画としていますが、スクリーンにおいて表示されるものだけでなく、ネットに投稿されたものにも該当させて問題ないでしょう。というのも、動画は著作権を所持している人に複製、配布、上演、上映、二次的著作物を作成する権利があるため、映画に類似する著作物として認められるといえます。

 

昨今ではInstagramなどに簡単に写真をアップロードすることが可能になったことから、それらを他者に二次使用される危険性も非常に高くなっています。しかしながら、同じアングルから写真を撮った場合であっても、著作権侵害が認められるとなると、あまり妥当な結論とは言えません。したがって、被写体とは別に思想・感情を表現しているか否かという点が重要な考慮要素となってきます。

 

プログラムにも著作権は認められます。もっともプログラムは特殊性があり、法による保護の範囲が非常に難しくなっています。

新たなプログラムを作成する際に、既存のものを基に複製し、また新たなものを構築したとなった場合には、その複製が違法となるのかという議論から、著作権法30条の4が新設され、エンジニアリングの過程でのプログラムの複製に関しては合法となりました。

 

今回、この場でご紹介させていただいたもの以外にも著作物は存在しますし、内容についてもここですべてを説明できたということではありません。
もし著作権侵害に悩まれている方がいらっしゃれば専門家にご相談することが近道となる場合もあります。

 

千且法律事務所では、千代田区、港区、麹町、四ッ谷、市ヶ谷、文京区を中心に、関東全域の皆様から、特許・知的財産(著作権、商標、職務発明)、企業法務などに関するご相談を承っております。知的財産権という自然科学的知識が重要となる場面に対応できる理工学部出身の弁護士が、事案に対応させていただきます。ぜひご相談ください。

よく検索されるキーワード

弁護士紹介

千且和也弁護士の写真

弁護士 千且和也(せんだ かずや)

  • メッセージ

    法律事務所の扉は「重い」と感じていませんか。

    「こんなことを話していいのだろうか、もう少しはっきりしてから来た方がいいのでは」と感じているとしたら、そのような遠慮は要りません。

    弁護士と思わず、「裏切ることが決してない、唯一の味方」と頼っていただければ、幸いです。

    個人の方には、初回に限り30分の無料相談を行っていますので、お気軽にご相談下さい。

  • 経歴

    中央大学理工学部工業化学科卒業した年に弁理士登録し、TMI総合法律事務所に勤務。

    右田特許事務所に勤務した後、きさらぎ国際特許事務所(現きさらぎ国際特許業務法人)設立。

    桐蔭横浜大学法科大学院を卒業した年に司法試験に合格し、最高裁判所司法研修所を経て、弁護士・弁理士登録し、千且法律事務所設立・きさらぎ国際特許業務法人復帰。

  • 所属

    第二東京弁護士会、日本弁理士会、APAA(アジア弁理士会)、医療過誤弁護団(東京三会)

  • 著作

    『特許発明の技術的範囲の解釈』(パテント1996年6月号)

    『無効原因とならない 特許紛争明細書作成のポイント』(ビジネス法務2007年2月号)

    『平成18年特許法改正 シフト補正禁止後の特許申請対策』(ビジネス法務2007年9月号)

    『先使用権制度の円滑な活用に向けて-戦略的なノウハウ管理のために』(商事法務別冊『NBL』-No.111および単行本の作成メンバー)

事務所概要

事務所名 千且法律事務所
代表者名 千且和也(せんだ かずや)
所在地 〒102-0084 東京都千代田区二番町5-6 あいおいニッセイ同和損保二番町ビル8階
電話番号・FAX番号 TEL:03-3261-7335 FAX:03-3261-7337
対応時間 9:00~17:00 ※事前予約で時間外も対応可能です
事務所外観